事業概要

本事業の目的

近年、平均在院日数の短縮化等や、多職種連携・在宅復帰促進等により、看護職員の業務負担が増加しています。他方で、超少子高齢化が進み人口減少社会の局面に入った日本において、大幅な看護職の養成も困難になってくることが予想されます。
さらに、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(2018年6月15日閣議決定)においても、「人手不足の中でのサービス確保に向けた医療・介護等の分野における生産性向上を図るための取組を進める」とされたことを踏まえ、看護職がより専門性を発揮できる働き方の推進や生産性の向上、看護サービスの質の向上を図るため、看護業務の効率化に向けた取組を推進する必要があります。
「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」の実施目的は、看護職がより専門性を発揮できる働き方の推進や生産性の向上、看護サービスの質の向上を図るための看護業務の効率化に関する先駆的な取組を広く募集し、その中から汎用性が高く効果のある取組を選考・表彰し、周知していくことです。

看護業務の効率化 先進事例アワード2020

看護職が勤務している医療機関・介護保険施設等において、直近3年以内に看護業務の効率化において優れた成果・効果をあげている取組や、それにより医療・看護サービスの充実を実現した取組を広く募集しました。全国から56件の応募があり、10施設の受賞となりました。

選考結果

最優秀賞
施設名

株式会社トラントユイット 訪問看護ステーションフレンズ

タイトル

訪問看護におけるエコーによるアセスメント導入とICTを使った医師との連携

施設名

広島県厚生農業協同組合連合会 廣島総合病院

タイトル

チーム医療による新たな手術室運営方法の確立~組織を巻き込んだ3カ年計画の取り組みを通して~

優秀賞
< 業務改善部門 >
施設名

株式会社デザインケア みんなのかかりつけ訪問看護ステーション

タイトル

ICTツール×ウエブ会議最大活用による業務効率化への取り組み

< タスクシフト・多職種連携部門 >
施設名

公立羽咋病院

タイトル

入退院支援の活動からつなぐ看護へ-外来でのスクリーニングを看護計画に直結させる-

< AI・ICT等の技術の活用部門 >
施設名

社会医療法人柏葉会 柏葉脳神経外科病院

タイトル

ウィズコロナでICT促進!~患者と家族をつなぐオンライン面会の取り組み~

奨励賞
施設名

社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院

タイトル

排尿ケアチームの立ち上げ~患者のQOL向上を目指して~

施設名

医療法人健和会 柳原病院

タイトル

職種間において協働意識を生み出す取り組み

施設名

医療法人共栄会 名手病院

タイトル

時間外支援夜勤の導入-長年課題だった看護師の夜勤負担軽減への取り組み-

特別賞
施設名

医療法人社団おると会 浜脇整形外科病院

タイトル

整形外科分野における術後病衣の工夫

施設名

一般財団法人潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院

タイトル

障がい者ベッドメイキングチーム委託業務の導入

試行支援事業について

昨年度本事業で先進的取組に選定した10取組と同様の取組を行う施設等を公募形式で募集し、試行支援(コンサルテーション)を行う「試行支援(コンサルテーション)事業」を実施します。参加施設に対しては、昨年度受賞施設・有識者等からのコンサルテーション(相談・助言)を行います。
試行実施取組の動画・事例集を今後本ポータルサイトに掲載予定です。今しばらくお待ちください。

【試行期間】10 月1 日(木)~ 2021 年1 月31 日(日)
※今年度参加施設の募集は締め切りました。

表彰式・事例報告会の開催

看護職が勤務している医療機関・介護保険施設等において、看護業務の効率化に関する優れた成果をあげ、医療・看護ケアサービスの充実を実現した取組の表彰及び事例報告会を、2021年2月17日(水)にWeb開催しました。当日は、昨年度受賞施設と同様の取り組みを試行する施設による事例報告も行いました。

表彰式のご挨拶

「看護業務の効率化先進事例アワード2020」受賞施設の皆様に、心よりお祝い申し上げます。また、現下の新型コロナウイルス感染症への対応につきましても、最前線で懸命に現場を支えてくださっている看護職の皆様に、深く感謝申し上げます。

ご承知の通り、医師の働き方改革については2024年4月から時間外労働規制の適用が予定されており、今後さらにタスク・シェアリング、タスク・シフティングを進めていく方向が示されています。また、現状でも医療・介護人材の確保は困難な状況にありますが、今後の少子化等の影響を考えますと、さらに厳しい状況になることが予想されます。
このような状況において、看護業務の効率化や生産性の向上は、まさに喫緊の課題であり、全国の優れた取り組みを広く普及させていく本アワードの意義は大変大きいと考えます。業務の効率化、負担軽減はもちろんですが、医療安全や看護サービスの質の向上、そして患者さんの満足度向上にも資する取り組みは、大変素晴らしいものであります。そしてなにより、現場の皆様が、現状を少しでも改善しようと真剣に考え、多職種とも協働して取り組む姿に、非常に感銘を受けました。
受賞された皆様に改めて敬意を表するとともに、こうした素晴らしい取り組みが、全国的に導入されていくことを期待しております。

公益社団法人 日本医師会 常任理事
釜萢 敏

表彰式のご挨拶

「看護業務効率化先進事例収集・周知事業 看護業務の効率化先進事例アワード2020」の表彰式にあたり、日本病院会の一員としてご挨拶を申し上げます。先ず、本日栄えある表彰を受けられます団体の皆様誠におめでとうございます。最優秀賞2題をはじめとして 優秀賞が3題 奨励賞3題 特別賞2題が表彰されます。このアワードには昨年度に続き、今年度も多数の応募がありました。選考の過程にも参加させていただきましたが、高いレベルの取組が応募されていると感じます。
現在、医療の高度化・複雑化が進む一方でその効率化も求められています。そのため、病院においても医療の質を担保するために、医療従事者の負荷は一層増しているところです。また、人口減少社会を見据えて、医療業務の担い手確保にも不安があります。このような背景のもと、本事業は、看護業務の効率化・生産性向上を目的として始まったものです。さらに、今年度は新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで、コロナ患者の診療に直接的に携わる医療従事者は勿論のこと、そのほかの従事者も感染対策などで業務量が増え精神的な負担も大きくなっており、医療を取り巻く状況は一段と厳しいものになっています。
このようななか本事業は一層重要性を増しており、この事業で収集された優秀な先進的事例が周知され、普及していくことにより、看護業務の効率化・生産性向上に寄与するものと強く期待しております。

一般社団法人 日本病院会 常務理事
園田 孝志

表彰式のご挨拶

今年度の当委員会の副委員長を務めました、東京都看護協会の山元でございます。今年で第2回目を迎えました「看護業務効率化先進事例収集・周知事業・看護業務の効率化先進アワード(以下アワード2020)」にご応募の看護職及び医療・介護・事務等の関係者の皆様方には衷心より御礼申し上げます。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延拡大の現場と対峙する看護職は極めて多忙のなかで、事例としてまとめる時間や人手が少ないにも関わらず、全国から56件の応募がありましたことに委員会・事務局と共に安堵した次第です。
今年の特徴は、応募施設が、病院だけでなく、訪問看護ステーションや高齢者施設やデイサービスと地域に幅広く展開したことです。また病院の病床規模も300床未満の病院の参加が増えたことや、昨年に引き続き継続的に取り組んだ事例も複数ありました。このことは現場でのアワードの存在意義が看護界に少しずつ理解され成果を上げていることに大変うれしく感じます。
個人的に印象的なことは、受賞した施設の内容には患者や家族、利用者サイドに立った取り組みが多く例えばエコーの活用や術後病衣の工夫などはすぐにでも他施設でマネできます。また診療報酬の誘導もありチームで実施した結果、患者と経営の両方にプラスの方向に向くことが検証されました。
表彰の有無にかかわらず、どの事例も当たり前のことを実直にチームとして取り組むことで、患者のQOLの向上と看護業務の軽減となり、そしてポジティブなチームに変化したことが伝わってきました。是非とも更に進化させ次年度にチャレンジしてください、お待ちしています。

公益社団法人 東京都看護協会 会長
山元 恵子